ノーリツ給湯器を使っていて、急にお湯が出ない、温度変更できないといったトラブルに見舞われると、本当に焦りますよね。特にお風呂に入ろうとしたタイミングや、食器を洗おうとした瞬間にリモコンで操作しても反応しないと、故障かもしれないと不安になる方も多いかなと思います。
実は、ノーリツ給湯器でお湯が出ない、あるいは温度調節ができないという症状の多くは、リモコンの優先機能が関係していることがあります。台所で温度変更できない、優先ボタンを押しても解除できない、優先表示が消えないといった状態は、必ずしも故障ではなく、優先の切り替えや解除方法を知っていれば自分で解決できるケースも少なくありません。
この記事では、ノーリツ給湯器の優先機能の仕組みから、リセット方法、エラーコードの意味、さらには修理や交換が必要な場合の判断基準まで、トラブル解決に役立つ情報をまとめています。今まさにお湯が出なくて困っている方も、まずは落ち着いてこの記事をチェックしてみてください。
- ノーリツ給湯器の優先機能の仕組みと正しい使い方
- 台所や浴室で温度変更できないときの具体的な対処法
- エラーコードが表示されたときの原因と対応方法
- 修理か交換かの判断基準と業者依頼のポイント
「ノーリツ給湯器」でお湯が出ない? 優先機能が原因かも

ノーリツ給湯器でお湯が出ない、温度が変えられないというトラブルの原因として、まず疑うべきなのが「優先機能」です。
この機能は故障ではなく、安全のために設計された仕組みなので、正しい操作方法を知っていれば簡単に解決できることがほとんどです。ここでは、優先機能の基本から具体的な操作手順まで詳しく解説していきます。
リモコンの優先ボタンの場所と使い方
ノーリツ給湯器のリモコンには「優先」という機能があり、これは給湯温度を調節できる権利(優先権)を特定のリモコンに付与する機能です。複数のリモコンが設置されている家庭では、どのリモコンから温度変更ができるかを切り替える仕組みとして使われています。この機能を正しく理解しておくことで、「温度が変えられない!故障かも!」という焦りを解消できることがほとんどです。
優先ボタンは浴室リモコンにのみ搭載

ここで重要なポイントがあります。優先ボタンは浴室リモコンにのみ搭載されており、台所リモコンには優先ボタンがありません。これは入浴中のやけど事故を防ぐため、浴室側で優先権をコントロールできるように設計されているからです。多くの方が「台所リモコンにも優先ボタンがあるはず」と思って探してしまうのですが、これは設計上の仕様なので、いくら探しても見つからないのは当然のことです。
優先ボタンの位置は機種によって異なりますが、多くの場合は給湯温度スイッチの近くに配置されています。ノーリツの代表的なリモコン型番であるRC-B001シリーズ、RC-C001マルチシリーズ、RC-7606/7607シリーズ、そして最新のRC-Jシリーズなどは、いずれも浴室リモコンに優先スイッチが搭載されています。お使いのリモコンの型番は、リモコン蓋の右下部分に記載されていることが多いので、一度確認してみてください。
優先機能の目的は安全対策

この機能の最大の目的はやけど防止です。入浴中やシャワー使用中に、家族が台所などから給湯温度を高温に変更すると、シャワーを浴びている人がやけどをする危険があります。例えば、お子さんがシャワーを浴びているときに、台所で食器洗い用に60度のお湯を出そうとして温度を上げてしまうと、浴室のシャワーからも60度の熱湯が出てしまう可能性があるわけです。
優先機能によって浴室使用者が温度変更の権限を保持できるため、このような事故を防止できるわけです。また、逆のパターンとして、浴室でシャワーを使用中に台所で急に低温のお湯を使い始めると、シャワーの温度が急に下がって驚くということも防げます。この機能は安全面だけでなく、快適な入浴環境を守るためにも重要な役割を果たしています。
優先機能の重要ポイント
優先権がなくてもお湯自体は通常通り出ます。優先機能が影響するのは温度変更の可否のみです。つまり「優先」が原因でお湯が完全に出なくなることはなく、温度調節ができない状態になるのが正確な症状です。「お湯が出ない」と感じている場合でも、実際には「設定したい温度に変更できない」というケースが多いので、まずは蛇口からお湯が出るかどうかを確認してみてください。
優先表示の見方
リモコンの画面に「優先」という文字が表示されているか、「優先」ランプが点灯していれば、そのリモコンで温度調節が可能な状態です。逆に「優先」が消灯している場合は、別のリモコンが優先中であり、そのリモコンでは温度調節はできません。また、「優先」が点滅している場合は、おそうじ浴槽のふろ洗浄中など特殊な動作中を示していることがあります。このように、優先表示の状態を見ることで、現在どちらのリモコンに優先権があるのかを簡単に判断できます。
台所で温度変更できないときの確認ポイント

台所リモコンで温度を変えようとしたら操作できない、「ピピピ」と警告音が鳴るという経験をされた方も多いかなと思います。この症状のほとんどは、浴室リモコンが「優先」になっている状態が原因です。台所で食器洗いをしようとしたときに温度が変えられないと、かなりストレスを感じますよね。でも、これは故障ではなく、優先機能が正常に働いている証拠でもあります。
まず確認すべきこと
台所で温度変更ができないときは、以下の点をチェックしてみてください。これらを順番に確認していくことで、問題の原因を特定できることがほとんどです。
- 台所リモコンに「優先」表示があるか確認する – 「優先」表示がなければ、台所には優先権がありません
- 浴室リモコンに「優先」ランプが点灯していないか確認する – 点灯していれば浴室側に優先権があります
- リモコンの運転スイッチが「入」になっているか確認する – 運転が切れていると操作自体ができません
- リモコンの画面表示が正常か確認する – 節電モードで画面が消えている場合もあります
台所リモコンに「優先」表示がなく、浴室リモコンに「優先」が点灯している場合は、浴室側に優先権がある状態です。この場合、お湯自体は出ますが、台所では温度変更の操作ができません。温度を変更するためには、浴室リモコンで優先を解除するか、台所リモコンの運転スイッチを入れ直す必要があります。
「ピピピ」という警告音が鳴る場合
台所リモコンで温度変更しようとしたときに「ピピピ」という警告音が鳴る場合は、まさに優先機能が働いている状態です。この音は「現在このリモコンには優先権がないため、温度変更はできません」というサインです。故障ではなく、正常な動作なので安心してください。警告音が鳴ったら、浴室リモコンの優先を解除するか、台所リモコンの運転スイッチを一度「切」にして再度「入」にすることで、台所側に優先権を移すことができます。
リモコンが1台のみの場合
リモコンが1台のみ設置されている場合は、常に「優先」表示が点灯したままになります。これは正常な状態で、1台しかないリモコンが常に優先権を持っているということを示しています。この状態で温度調節ができない場合は、優先機能の問題ではなく、リモコンもしくはリモコンと給湯器本体の通信不具合の可能性があるため、後述するリセット方法を試してみることをおすすめします。
節電モードについて
約10分間お湯を使用しないと、自動で画面表示が消える節電モードが作動することがあります。画面が消えていても、運転スイッチを押すか、お湯を出すと再表示されます。画面が消えているだけで故障ではないので、まずは運転スイッチを押してみてください。なお、給湯温度を60度以上に設定している場合は、安全のため節電モードで表示が消えることはありません。
浴室と台所の優先切り替え方法と解除手順
優先の切り替え方法は、覚えてしまえばとても簡単です。一度理解してしまえば、普段の生活で温度調節に困ることはなくなります。ここでは浴室優先と台所優先、それぞれの設定方法を詳しく解説します。家族で共有しておくと、誰かがお風呂に入っているときに台所で温度が変えられないといったトラブルも減らせますね。
浴室を優先にする方法
浴室リモコンの「優先」スイッチを押すだけです。「優先」表示が点灯すれば、浴室側で温度調節が可能になります。入浴中やシャワー使用中は、この状態にしておくのがおすすめです。特にお子さんがシャワーを使うときなどは、必ず浴室優先にしておくことで、急な温度変化によるやけどを防ぐことができます。
浴室優先の状態では、台所リモコンで温度を変更しようとしても操作が受け付けられません。これは故障ではなく、浴室で安全にお湯を使うための仕組みが正常に働いている証拠です。入浴が終わったら、優先を解除して台所側に優先権を戻すことを忘れないようにしましょう。
台所を優先にする方法
台所リモコンには優先ボタンがないため、以下のいずれかの方法で台所を優先にします。どちらの方法でも同じ結果になるので、やりやすい方を選んでください。
台所を優先にする2つの方法
- 方法1:浴室リモコンの「優先」スイッチをもう一度押して解除する
浴室リモコンの優先ボタンを押すと、「優先」表示が消灯し、優先権が台所側に移動します。 - 方法2:台所リモコンの運転スイッチを「切」にして、再度「入」にする
運転スイッチの入れ直しで、台所リモコンに優先権を移すことができます。
「優先」表示が台所リモコンに点灯すれば、台所側で温度調節が可能になります。
なお、この優先切り替えの操作方法は、ノーリツ公式サイトのよくあるご質問でも詳しく解説されていますので、お使いの機種の詳細を確認したい場合は参考にしてみてください。
温度の記憶機能を活用しよう
実は優先機能には便利な使い方があります。給湯器は浴室優先時の温度と台所優先時の温度を別々に記憶できる仕組みになっています。例えば、浴室優先時は42度(お風呂・シャワー用)、台所優先時は35〜38度(食器洗いなど)と設定しておくことで、優先を切り替えるだけで適切な温度に自動変更されます。
この機能を活用すれば、毎回温度を上げ下げする手間が省けます。浴室でシャワーを浴びるときは優先ボタンを押すだけで42度に、食器洗いをするときは台所リモコンの運転を入れ直すだけで38度に、という具合に自動で切り替わるので非常に便利です。最初に一度だけそれぞれの温度を設定しておけば、あとは優先の切り替えだけで済むので、ぜひ活用してみてください。
サブリモコンがある場合
一部の住宅では、台所リモコン、浴室リモコンに加えて、洗面所などにサブリモコンが設置されている場合があります。サブリモコンは台所リモコンと同様に優先ボタンがなく、優先を取得するには運転スイッチを入れ直す方法を使います。複数のリモコンがある環境では、どのリモコンが優先になっているかを常に意識しておくと、温度調節のトラブルを防ぎやすくなります。
優先表示が消えないときの対処法
浴室リモコンの優先ボタンを押しても「優先」表示が消えない、切り替えができないという場合は、いくつかの原因が考えられます。通常であればボタンを押すだけで簡単に切り替えられるはずですが、何度押しても反応がない場合は、以下の原因と対処法を順番に試してみてください。
考えられる原因
優先表示が消えない、または切り替えができない場合に考えられる原因は主に以下の4つです。それぞれの原因によって対処法が異なるので、まずは原因を特定することが重要です。
- 操作方法の誤解(正しく押せていない) – ボタンを押す力が弱い、または押し方が間違っている可能性
- 優先ボタンの固着・故障 – ボタン自体が物理的に動かなくなっている、または内部で接触不良が起きている
- リモコン内部の基盤の故障 – ボタンは押せるが、信号が正しく送られていない状態
- リモコンと給湯器本体の通信異常 – リモコンからの信号が給湯器本体に届いていない状態
対処手順
優先表示が消えないときは、以下の順序で対処してみてください。簡単な操作から順番に試していくことで、多くの場合は問題を解決できます。
ステップ1:優先ボタンの動作確認
浴室リモコンの「優先」スイッチを複数回押して反応を確認します。ボタンがしっかり押せているか、カチッという感触があるか、画面に何らかの反応があるかをチェックしましょう。ボタンを押すときは、指の腹でしっかりと押すことがポイントです。爪で軽く触れる程度では反応しない場合があります。
ステップ2:運転スイッチの入れ直し
運転スイッチを「切」→「入」にして優先の切り替えを試みます。これにより、リモコンと給湯器本体の通信がリフレッシュされ、優先状態がリセットされることがあります。運転スイッチを切ってから5秒程度待ってから再度入れると、より確実です。
ステップ3:電源プラグのリセット
電源プラグを抜き差ししてリセットを実施します。詳しい手順は次の項目で解説しますが、給湯器本体の電源を一度完全に切ることで、内部のエラー状態がクリアされることがあります。
ステップ4:修理依頼
上記で改善しない場合は、リモコンや本体の故障の可能性が高いため、修理を依頼しましょう。特に、優先表示が点灯しているのに温度調節ができない場合は、リモコンと本体の通信に問題がある可能性が高いです。
注意:優先表示が点滅している場合
優先表示が点滅している場合は、通常の優先状態とは異なります。おそうじ浴槽のふろ洗浄中など、特殊な動作中であることを示している場合があります。点滅中は正常な動作の一部である可能性があるので、動作が完了するまで待ってから操作を試してみてください。
リモコンのリセット方法で改善する場合
優先機能の不具合だけでなく、さまざまなトラブルに対して有効なのがリセット操作です。ノーリツ給湯器のリセット方法には段階があり、軽い不具合であれば簡単なリセットで改善することも多いです。「調子がおかしいな」と感じたら、まずはリセット操作を試してみることをおすすめします。ただし、リセットはあくまで一時的な対処法であり、同じ症状が繰り返し発生する場合は根本的な原因を解決する必要があります。
リセット方法(3段階)

リセット方法には3つの段階があります。簡単なものから順番に試していき、それでも改善しない場合は次の段階に進むという流れで対処していきます。多くの場合、ステップ1のリモコンリセットで改善しますが、それでもダメな場合はステップ2、ステップ3と進めていきましょう。
ステップ1:リモコンリセット(最も簡単な方法)
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 10秒程度待つ(この間にリモコン内部の一時的なエラーがクリアされます)
- 再度「入」にする
- エラーが消えているか、正常に動作するか確認する
この方法で改善する場合が最も多いです。まずはこれを試してみてください。
ステップ2:電源プラグリセット(やや本格的な方法)
- すべてのリモコンの運転スイッチを「切」にする
- 給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜く(本体は屋外に設置されていることが多いです)
- 10秒以上待つ(20秒程度待つとより確実です)
- プラグを再度しっかりと差し込む
- リモコンスイッチを「入」にして動作確認する
給湯器本体の内部メモリがリセットされるため、リモコンリセットでは解消しないエラーにも効果があります。
ステップ3:ブレーカーリセット(最も本格的な方法)
- 給湯器が接続されている回路のブレーカーを特定する
- 該当のブレーカーを落とす(メインブレーカーは落とさないでください)
- 10秒程度待つ
- 再度ブレーカーを入れる
- 給湯器の動作確認をする
電源プラグリセットでも改善しない場合に試す方法です。
注意:ブレーカーリセット時の注意点
メインブレーカーを落としてしまうと、家中の家電に影響を及ぼすため注意してください。給湯器が繋がっている回路のみを操作しましょう。どの回路が給湯器に繋がっているかわからない場合は、分電盤のラベルを確認するか、電源プラグリセットで対応することをおすすめします。また、ブレーカーを落とすと、時計機能を持つ家電の時刻がリセットされる場合があるので注意してください。
リセット後も症状が改善しない場合
3段階すべてのリセットを試しても症状が改善しない場合は、給湯器本体やリモコンに何らかの故障が発生している可能性が高いです。この場合は、自分で対処しようとせず、メーカーや専門業者に修理を依頼することをおすすめします。特に、リセット後に同じエラーがすぐに再発する場合は、部品の交換が必要なケースが多いです。
とはいえ、メーカー修理は予約が埋まっていて数日待たされることも珍しくありません。「今夜のお風呂どうしよう…」と困っている方は、最短30分で駆けつけてくれる専門業者に相談するのも一つの手です。
例えば、こちらの相談所なら24時間365日受付で、専門資格を持ったプロがすぐに対応してくれます。見積もり後の追加費用もないので、まずは「修理で直るか、いくらかかるか」だけ見てもらうのも良いでしょう。
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「ノーリツ給湯器」でお湯が出ない! 優先以外の原因と対策

優先機能を確認しても問題が解決しない場合は、他の原因が考えられます。ここからは、ノーリツ給湯器でお湯が出ないときの優先以外の原因と、その対処法について詳しく解説していきます。エラーコードが表示されている場合の対応や、修理・交換の判断基準も含めてお伝えします。
エラーコード76や111の意味と対応
ノーリツ給湯器のリモコンにエラーコードが表示されている場合は、そのコードから原因を特定できることがあります。エラーコードは2桁または3桁の数字で表示され、それぞれが特定の症状や原因を示しています。ここでは、特によく見られるエラーコードについて詳しく解説します。エラーコードが表示されている場合は、まずそのコードの意味を確認してから対処することで、効率的にトラブルを解決できます。
エラー76(760):リモコン通信異常
エラー76(760)は、リモコンと給湯器本体の通信異常を示しています。ノーリツでは「0」と「76」が交互に表示される場合もあります。このエラーが表示されると、リモコンでの操作が正常に給湯器本体に伝わらなくなるため、温度変更やお湯はりなどの操作ができなくなることがあります。
エラー76の主な原因としては、リモコンと本体を繋ぐ配線の接触不良、リモコン内部の基盤故障、給湯器本体側の通信回路の故障などが考えられます。一時的な通信エラーであれば、リセット操作で改善することがほとんどです。
対処法:電源プラグを抜いて10〜20秒待ち、再度差し込むことで解消する場合があります。それでも解消しない場合は、リモコンの配線や本体との接続に問題がある可能性があるため、修理依頼が必要です。配線の問題は素人が触ると危険な場合があるので、無理に自分で修理しようとせず、専門業者に相談してください。
エラー111:給湯側点火不良
エラー111は給湯側の点火不良を示しています。給湯器がガスに点火しようとしても、何らかの理由で点火できない状態です。ガス供給の問題や点火装置の故障が原因として考えられます。このエラーが発生すると、お湯が全く出なくなります。
エラー111の主な原因としては、ガス元栓が閉まっている、ガスメーターが遮断されている、ガス切れ(プロパンガスの場合)、点火装置(イグナイター)の故障、ガス電磁弁の故障などが考えられます。
対処法:まずはガス栓が開いているか、ガスメーターが遮断されていないかを確認してください。ガスコンロなど他のガス機器が正常に使えるかどうかで、ガス供給全体の問題か給湯器だけの問題かを切り分けることができます。リセット操作で改善する場合もありますが、繰り返し発生する場合は点火装置の故障の可能性が高く、部品交換が必要になることがあります。
その他の主要エラーコード
エラーコードは数十種類以上ありますが、特に発生頻度が高いものについて表にまとめました。エラーコードが表示されたときは、この表を参考に対処してみてください。
| エラーコード | 意味 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|---|
| 112 | ふろ側点火不良 | ガス供給問題、点火装置故障 | ガス供給確認、リセット操作 |
| 121/122 | 立ち消え安全装置作動 | 風による失火、ガス圧低下 | ガス供給確認、業者依頼 |
| 140 | 過熱防止装置作動 | 機器本体の異常過熱 | 即使用中止、業者依頼 |
| 290 | 中和器異常(エコジョーズ) | 中和器の詰まり・故障 | 業者による点検・交換 |
| 632 | ふろ循環不良 | 循環アダプター詰まり、水位不足 | 循環アダプター清掃 |
| 88/888 | 点検時期お知らせ | 使用期間10年相当経過 | 法定点検を検討 |
| 920/930 | 中和器寿命予告・告知 | 中和器の交換時期 | 業者による中和器交換 |
エラー88/888について
エラー88/888は故障ではなく、使用期間10年相当経過による点検時期のお知らせです。そのまま使用することもできますが、安全のため点検を受けることが推奨されています。給湯器の設計上の標準使用期間は10年とされており、この時期を過ぎると内部部品の劣化が進み、故障や事故のリスクが高まります。888表示を一度リセットしても、約1年後に再び表示されます。これは点検を促すための仕様です。
300番台・600番台・700番台のエラーについて
300番台、600番台、700番台のエラーコードは、基本的に部品交換が必要なケースが多いです。これらのエラーが表示された場合は、リセット操作を試しても改善しないことがほとんどなので、早めに業者に依頼することをおすすめします。自分で対処しようとして時間を無駄にするよりも、専門家に任せた方が結果的に早く解決できます。
ガスや水道の問題で温度調節できない場合
優先機能やリモコンに問題がない場合、ガスや水道の供給に問題がある可能性があります。給湯器は、ガス、水、電気の3つが正常に供給されていないと動作しません。それぞれについて、よくある問題と対処法を詳しく解説します。
ガス関連の問題
ガスに関連する問題は、給湯器のトラブル原因として非常に多いです。特に、地震の後やガスを長時間使用した後は、ガスメーターの安全装置が作動してガス供給が止まっていることがあります。
- ガス元栓が閉まっている:給湯器本体の近くにあるガス元栓が閉まっていないか確認してください。レバー式の場合は、レバーが配管と平行になっている状態が「開」です。直角になっている場合は「閉」なので、平行になるように回してください。
- ガスメーター遮断:震度5以上の地震が発生すると、マイコンメーター(ガスメーター)の安全装置が作動してガス供給が自動的に止まります。また、ガスを長時間連続使用した場合も同様に遮断されることがあります。ガスメーターの復帰ボタンを押して3分待つことで復帰できます。
- ガス切れ:プロパンガス(LPガス)をお使いの場合、ボンベの残量がなくなるとガスが供給されなくなります。ガス会社に連絡してボンベの交換を依頼してください。
- ガス供給の停止:ガス会社の工事やメンテナンスで、地域全体のガス供給が一時的に止まっている場合もあります。
判別方法:他のガス機器(コンロなど)が使えるかどうかで、ガス供給全体の問題か給湯器だけの問題かを判別できます。コンロも点かない場合はガス供給の問題、コンロは点くが給湯器だけ動かない場合は給湯器本体の問題である可能性が高いです。
水道関連の問題
水道に関連する問題も、給湯器のトラブル原因としてよくあります。給湯器に水が供給されていないと、当然ながらお湯を作ることができません。
- 給水元栓が閉まっている:給湯器本体への水の供給を制御する給水元栓が閉まっていると、お湯が出ません。給水元栓は給湯器本体の下部にあることが多いです。
- 断水:地域で断水が発生していないか確認しましょう。水道局のホームページや地域の防災情報をチェックしてみてください。他の蛇口から水が出るかどうかで判断できます。
- 水道フィルターの詰まり:給湯器の給水口にはフィルター(ストレーナー)が設置されていることがあります。このフィルターにゴミや錆が詰まると、水の流れが悪くなり、お湯の出が悪くなります。フィルター清掃で改善することがあります。
- 循環アダプターの詰まり:浴槽内にある循環アダプター(追い焚き口)のフィルターが詰まっていると、追い焚きや自動湯はりに問題が生じます。髪の毛や湯垢が詰まっていることが多いので、定期的な清掃をおすすめします。
- 配管の水漏れ:給水配管や給湯配管に水漏れがあると、十分な水圧が確保できずにお湯の出が悪くなることがあります。給湯器周辺で水が漏れている形跡がないか確認してください。
電気・電源関連の問題
給湯器は電気を使って制御されているため、電気に関連する問題でも動作しなくなります。
- 電源プラグが抜けている:給湯器本体のすぐ近くにコンセントがあり、そこに電源プラグが差し込まれています。何かの拍子で抜けていないか確認してください。
- ブレーカーが落ちている:給湯器が接続されている回路のブレーカーが落ちていると、給湯器に電気が供給されません。分電盤を確認してください。
- 停電している:地域で停電が発生していないか確認してください。室内の照明や他の家電が動作しているかで判断できます。
- リモコンの電源がOFFになっている:運転スイッチが「切」になっていると、給湯器は動作しません。運転スイッチを「入」にしてください。
節電モードについて
約10分間お湯を使用しないと自動で画面表示が消える節電モードが作動している場合もあります。画面が消えていても運転自体は続いていることがほとんどなので、運転スイッチを押すか、お湯を出すと再表示されます。画面が真っ暗だからといって故障とは限りません。
凍結や点火不良でお湯が出ない場合の対処

冬場に多いトラブルとして、配管の凍結があります。また、点火不良もよくある原因の一つです。これらの問題は季節や使用状況によって発生頻度が変わりますが、正しい対処法を知っておくことで、慌てずに対応できます。
凍結の場合
外気温0℃以下(特に-4℃以下)になると、給水配管・給湯配管・給水元栓・ドレン配管(エコジョーズの場合)が凍結することがあります。凍結すると水が流れなくなるため、お湯が出なくなります。特に、長期間家を空けていた場合や、給湯器を数日間使用していなかった場合は凍結のリスクが高まります。
凍結時の対処法
気温上昇による自然解凍を待つのが最も安全な方法です。日中に気温が上がれば、多くの場合は自然に解凍されてお湯が出るようになります。急ぐ場合は、タオルを配管に巻いて30〜40℃のぬるま湯をかける方法がありますが、熱湯を直接かけることは配管破損の原因となるため絶対にやめてください。急激な温度変化で配管が破裂し、水漏れや二次被害につながる恐れがあります。
凍結を予防する方法
凍結を防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 給湯器の凍結防止機能を活用する:ノーリツの給湯器には凍結防止機能(ヒーター)が搭載されています。電源プラグを抜かずにコンセントに差したままにしておくことで、外気温が下がると自動的にヒーターが作動して凍結を防ぎます。
- 水を少量出しておく:長期間家を空ける場合や、極端に寒い夜は、蛇口から水を少量(鉛筆の芯程度の太さ)出しておくことで、配管内の水が動いて凍結しにくくなります。
- 配管に保温材を巻く:給水配管や給湯配管に保温材を巻くことで、凍結リスクを下げることができます。ホームセンターなどで販売されています。
点火不良の場合
点火音(カチカチという音)はするがお湯にならない場合は、点火装置やバーナーの故障が考えられます。点火装置(イグナイター)は火花を飛ばしてガスに点火する部品で、経年劣化により火花が弱くなったり、全く出なくなったりすることがあります。
対処法:まずはリセット操作を試してみてください。一時的な点火不良であれば、リセットで改善することがあります。それでも改善しない場合は、点火装置の交換が必要になることが多いです。点火装置の交換は専門業者でないと難しいので、メーカーや修理業者に依頼してください。
その他のよくある原因
- バーナーの目詰まり:バーナーにゴミや錆が詰まると、正常に燃焼できなくなります。定期的なメンテナンスで予防できます。
- 熱交換器の劣化:熱交換器は水をお湯に変える重要な部品です。長年使用していると内部にスケール(水垢)が溜まり、効率が落ちることがあります。
- ファンモーターの故障:燃焼に必要な空気を送り込むファンモーターが故障すると、正常に燃焼できなくなります。
修理か交換かの判断基準と費用相場

給湯器のトラブルが発生したとき、修理で対応すべきか交換すべきか迷われる方も多いかなと思います。修理費用と交換費用を比較して、どちらがお得かを判断することが重要です。ここでは、修理と交換の判断基準と、それぞれの費用相場について詳しく解説します。
修理を選ぶべきケース
以下のような場合は、修理で対応する方がコストパフォーマンスが良いことが多いです。
- 使用年数が7年未満:まだ十分に使用できる期間が残っているため、修理して使い続ける価値があります。
- メーカー保証期間内:通常1年、BL認定品(優良住宅部品)なら2年の保証期間内であれば、無償で修理してもらえる場合があります。
- 単一箇所の軽微な故障:リモコンの故障や、特定の部品だけの問題であれば、その部分を交換するだけで済みます。
- 修理費用が交換費用より明らかに安い:修理費用が2〜3万円程度で済むのであれば、10万円以上かかる交換よりも修理の方が経済的です。
交換を選ぶべきケース
以下のような場合は、修理よりも交換を検討した方が良いことが多いです。
- 使用年数が10年以上:メーカーが推奨する交換時期を過ぎているため、修理してもすぐに別の箇所が故障する可能性が高いです。
- 使用年数7年以上で複数箇所の故障:複数の部品が同時に劣化している場合は、今後も次々と故障が発生する可能性があります。
- 修理部品の供給終了:製造終了後10年程度で修理部品の供給が終了することがあります。部品がなければ修理自体ができません。
- 修理費用が交換費用の50%以上:修理に10万円かかるのであれば、あと数万円出して新品に交換した方が長期的にはお得です。
- エラー88/888が表示された:10年相当使用のお知らせが出ている場合は、交換を前提に検討することをおすすめします。
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修理費用の目安
修理費用は故障箇所や内容によって大きく異なります。以下はあくまで一般的な目安としてお考えください。
| 修理内容 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 点検のみ | 7,000円〜20,000円 | 出張費込みの場合が多い |
| 電装系(基盤・配線等) | 20,000円〜45,000円 | 制御基盤の交換は高額になりがち |
| 燃焼系(バーナー・電磁弁等) | 10,000円〜35,000円 | 点火装置の交換は比較的安価 |
| リモコン交換 | 7,000円〜30,000円 | 高機能リモコンほど高額 |
| 熱交換器交換 | 30,000円〜60,000円 | 主要部品のため高額 |
| 中和器交換(エコジョーズ) | 15,000円〜25,000円 | 消耗品として定期交換が必要 |
とはいえ、修理費用は業者によって大きく異なるのが実情です。「思ったより高額だった」「見積もりと違う金額を請求された」という声も少なくありません。そんな不安を解消してくれるのが、現地調査・見積もり無料で対応してくれる街角給湯相談所です。給湯器本体が最大92%OFFになるケースもあるので、修理か交換かで迷っている方は、まず無料見積もりで比較してみるのがおすすめです。
給湯器の寿命について
給湯器の設計上の標準使用期間は10年(ノーリツ公式)とされています。実際の使用では8〜15年程度使えることもありますが、使用頻度や設置環境により大きく異なります。一般的に、不調が出始めるのは7〜8年目頃からが多く、10年を超過すると重大事故(火災や一酸化炭素中毒など)のリスクが急増するため、交換を検討されることをおすすめします。
長期使用のリスクについて
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によると、2012年〜2016年の5年間で、10年以上使用の給湯器による発火事故等が435件発生しています。経年劣化による火災や、不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクがあるため、10年を超えて使用している場合は、トラブルがなくても点検や交換を検討することをおすすめします。
部品保有期間について
修理を依頼する際に注意したいのが、部品保有期間です。メーカーは製造終了後、一定期間は修理用部品を保有していますが、その期間を過ぎると部品が入手できなくなります。
- 一般品:製造終了後7年
- BL認定品(優良住宅部品):製造終了後10年
保有期間を過ぎると修理自体ができなくなるため、交換が必要になります。お使いの給湯器の製造年を確認し、部品保有期間内かどうかをチェックしておくと良いでしょう。
自分で直せないときの業者依頼のコツ
リセット操作を試しても改善しない場合や、危険な症状が見られる場合は、すぐに専門業者に依頼しましょう。ただし、業者選びを間違えると、必要以上に高い費用を請求されたり、不要な交換を勧められたりすることもあります。ここでは、業者依頼の際のコツと注意点を詳しく解説します。
即座に業者依頼が必要な危険な症状
以下の症状が見られた場合は、自分で対処しようとせず、すぐに使用を中止して業者に連絡してください。これらの症状は、命に関わる重大な事故につながる可能性があります。
以下の症状が見られたら、すぐに使用を中止して業者に連絡してください
- 黒い煙が出る:不完全燃焼が起きている証拠です。一酸化炭素が発生している可能性があり、一酸化炭素中毒の危険があります。すぐに換気して、給湯器の使用を中止してください。
- ガス臭がする:ガス漏れの可能性があります。火気厳禁で、すぐに窓を開けて換気し、ガス会社に連絡してください。給湯器だけでなく、家全体のガス使用を中止してください。
- 焦げ臭い・酸っぱい臭いがする:内部で異常燃焼が起きている可能性があります。使用を中止して業者に連絡してください。
- 機器本体からの水漏れ:内部の配管や部品が破損している可能性があります。漏電の危険もあるため、使用を中止してください。
- 異常な高温のお湯が出る:サーモスタットなどの制御系統に異常がある可能性があります。やけどの危険があるため、使用を控えてください。
- 運転中に異音がする:「ボンッ」「キーン」「ピー」などの異常な音がする場合は、内部で何らかの問題が起きている可能性があります。
ノーリツへの修理依頼先
ノーリツ製品の修理は、メーカーに直接依頼することもできます。24時間365日対応しているので、夜間や休日でも連絡可能です。
ノーリツコンタクトセンター
電話番号:0120-911-026(フリーダイヤル・24時間・365日対応)
携帯電話から:0570-064-910(通話料有料)
電話をかける前に、給湯器の型番とエラーコード(表示されている場合)をメモしておくと、スムーズに対応してもらえます。
業者選びのポイント
メーカー以外の修理業者に依頼する場合は、以下の点に注意して業者を選んでください。悪質な業者に引っかからないためにも、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
- 現場調査をしてくれるかどうか:電話だけで「それは故障です、交換が必要です」と判断する業者は要注意です。実際に現場を見て、症状を確認してから判断してくれる業者を選びましょう。
- 見積もりが明確かどうか:「修理工事一式」「交換工事一式」などの曖昧な見積もりは要注意です。部品代、技術料、出張費などが内訳として明記されている見積もりを求めてください。
- エラーコードだけで即座に交換を勧めてこないか:エラーコードを確認しただけで「これは寿命ですね、交換しましょう」と言ってくる業者は避けた方が良いです。修理で直る可能性があるかどうかを、きちんと調査してくれる業者を選びましょう。
- 資格を持っているか:給湯器の修理・交換には、ガス機器設置スペシャリストや液化石油ガス設備士などの資格が必要です。資格を持った技術者が対応してくれるか確認してください。
- アフターサービスがあるか:修理後に同じ症状が再発した場合の保証や、定期点検サービスがあるかどうかも確認しておくと安心です。
これらのポイントをすべて満たす業者を自分で探すのは、正直なところ大変ですよね。その点、街角給湯相談所なら、専門資格を持ったプロが最短30分で駆けつけ、見積もりから追加費用なしで対応してくれます。24時間365日相談を受け付けているので、急なトラブルでも安心です。
ノーリツ給湯器でお湯が出ないなら優先を確認しよう
ここまで、ノーリツ給湯器でお湯が出ない、温度変更ができないといったトラブルの原因と対処法について詳しく解説してきました。この記事で紹介した内容を実践していただければ、多くのトラブルは自分で解決できるはずです。最後に、トラブル発生時の対処手順をまとめておきます。
まとめ:トラブル解決のステップ
- まず優先機能を確認:浴室リモコンの「優先」ボタンを押して切り替えを試す。台所リモコンに「優先」表示があるか確認する。
- リセット操作を試す:リモコンリセット→電源プラグリセット→ブレーカーリセットの順で試す。各ステップの間は10秒以上待つ。
- ガス・水道・電気を確認:他のガス機器が使えるか、水道は出るか、電源は入っているかで問題を切り分ける。
- エラーコードを確認:表示されているコードから原因を特定し、対応する対処法を試す。
- 改善しなければ業者依頼:危険な症状があれば即座に使用中止。複数の業者から見積もりを取って比較検討する。
ノーリツ給湯器でお湯が出ないときは、まず優先機能を確認してみてください。多くの場合、優先の切り替えやリセット操作で解決できます。「故障かも!」と焦る気持ちはわかりますが、まずは落ち着いてこの記事で紹介した対処法を順番に試してみてください。
それでも改善しない場合や、黒い煙が出る、ガス臭がするなどの危険な症状が見られる場合は、無理せず専門業者に相談することをおすすめします。給湯器は毎日の生活に欠かせない設備ですが、安全に使用することが最も大切です。
また、給湯器の設計上の標準使用期間は10年とされています。10年以上使用している場合は、トラブルが起きる前に点検や交換を検討されてみてはいかがでしょうか。事前に対策しておくことで、急なトラブルを防ぐことができます。
「いくつか試してみたけど直らない」「そもそも自分で対処するのは不安」という方は、プロに任せるのが一番の近道です。街角給湯相談所では、無料相談から現地調査・見積もりまですべて無料。納得してから契約できるので、まずは気軽に相談してみてください。

