パロマ給湯器で【お湯が出ない】水は出る時の原因と対処法

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朝シャワーを浴びようと思ったら、パロマ給湯器からお湯が出ないのに水は出るという状況に陥ってしまった経験はありませんか。特に冬場の寒い時期にこのトラブルに見舞われると、本当に困ってしまいますよね。

パロマ給湯器でお湯が出ないのに水は出るという現象には、実はいくつかの明確な原因があります。ガスメーターの遮断や水抜き栓フィルターの詰まり、リモコンのエラーコード表示、混合水栓の故障、さらには凍結による配管の閉塞など、原因は多岐にわたるんですね。

ただ、パニックになる必要はありません。適切な対処法を知っていれば、自分で解決できるケースも多いんです。点火不良やエラーコード111への対応、電源リセットの手順、水量と水圧の確認方法など、基本的なトラブルシューティングを理解しておくことで、修理業者を呼ぶ前に問題を解決できる可能性があります。

この記事では、パロマ給湯器からお湯が出ないのに水は出るという状況の原因と、具体的な対処法について詳しく解説していきます。また、修理を依頼すべきか交換すべきかの判断基準についてもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事でわかること
  • パロマ給湯器でお湯が出ないのに水は出る主な原因5つ
  • エラーコード111など点火不良への具体的な対処手順
  • 電源リセットやガスメーター復帰の正しい方法
  • 修理依頼と交換のどちらを選ぶべきかの判断基準
目次

パロマ給湯器で「お湯が出ない」のに水は出る原因

パロマ給湯器からお湯が出ないのに水は出るという状況は、実は給湯器内部の加熱プロセスや制御プロセスに問題が発生しているサインなんです。水が蛇口から出るということは、給水経路自体は正常に機能しているということですから、問題は給湯器側にあると考えられます。

この症状が示す重要なポイントは、配管の物理的な閉塞や断水ではないということです。つまり、給湯器内部での「加熱」または「制御」のプロセスにおいて何らかの不具合が発生していると推測できるんですね。これを理解しておくと、トラブルシューティングの方向性を正しく定めることができます。

ここでは、パロマ給湯器でお湯が出ないのに水は出る状況で考えられる主な原因を、5つのパターンに分けて詳しく解説していきますね。それぞれの原因を理解することで、自分で対処できるかどうかの判断もしやすくなるはずです。また、どの原因が最も可能性が高いかを見極めることで、無駄な時間を省き、迅速に問題を解決できるようになります。

ガスメーターの遮断が原因の可能性

パロマ給湯器からお湯が出ない原因として、実はガスメーター(マイコンメーター)の遮断が非常に多いんです。これは給湯器の故障ではなく、ガス供給側の安全装置が働いている状態なんですね。私の経験上、この原因は特に地震の後や長時間の連続使用後に頻繁に発生します。

日本の家庭に設置されているガスメーターには、震度5以上の地震や過大なガス流量、長時間の連続使用などを検知すると、自動的にガス供給を遮断する機能が備わっています。これはマイコンメーターと呼ばれる高性能な安全装置で、ガス漏れや事故を未然に防ぐために重要な役割を果たしているんです。

つまり、地震の後や長時間お風呂を沸かし続けた後などに、突然お湯が出なくなった場合は、ガスメーターの遮断を真っ先に疑うべきなんです。この場合、給湯器本体には何の問題もないため、ガスメーターを復帰させるだけで解決します。修理費用もかからず、自分で対処できる最も簡単なケースと言えます。

ガスメーター遮断の見分け方

ガスメーターが遮断されているかどうかは、以下の方法で確認できます。この確認作業は非常に簡単で、数分で完了しますので、お湯が出なくなったらまず最初に試してみてください。

ガスメーター遮断のチェックポイント

  • ガスコンロも点火しないか確認する
    キッチンのガスコンロを点火してみてください。コンロも点火しない場合は、ほぼ間違いなくガスメーター遮断が原因です。給湯器だけでなくすべてのガス機器が使えない状態になっているはずです。
  • ガスメーターの赤ランプが点滅しているか確認する
    ガスメーター(通常は玄関横や外壁、メーターボックス内にあります)を直接見に行ってください。赤色のランプが点滅している場合、ガスが遮断されている状態です。
  • 液晶画面に「ガス止」や「A・B・C」などの表示があるか確認する
    最近のマイコンメーターには液晶画面がついており、遮断理由を示すコードが表示されます。「A」は震度5以上の地震、「B」は長時間の連続使用、「C」は異常な大量流出を意味します。

もしガスコンロも点火しない場合は、ほぼ間違いなくガスメーターの遮断が原因です。この場合は給湯器の故障ではないので、ガスメーターの復帰操作を行うことで解決できます。逆に、ガスコンロは点火するのに給湯器だけお湯が出ない場合は、別の原因を疑う必要があります。

ガスメーターの復帰手順

ガスメーターの復帰は、以下の手順で行います。この作業は資格不要で誰でも安全に行えますが、手順を間違えると復帰できないため、正確に従ってください。

1. 全てのガス機器を停止する
まず最初に、屋内・屋外のすべてのガス機器の運転スイッチを切り、ガス栓を閉じます。給湯器のリモコンの電源も切ってください。ただし、メーターガス栓(建物への大元のガス供給栓)は開けたままにしておいてください。これを閉じてしまうと復帰操作ができません。具体的には、給湯器、ガスコンロ、ガスファンヒーター、ガス床暖房など、すべてのガス機器を確認してください。

2. 復帰ボタンのキャップを外す
ガスメーター(通常は玄関横やメーターボックス内、建物の外壁にあります)の復帰ボタンのキャップを左に回して外します。キャップは紛失しないよう、すぐそばに置いておいてください。復帰ボタンは通常、メーターの正面下部に配置されており、黒または赤色をしています。

3. 復帰ボタンを押す
復帰ボタンを奥までしっかりと押し込み、赤ランプが点灯または点滅したらすぐに手を離します。長押しし続けないように注意してください。押し込むと「カチッ」という感触があり、そこで手を離すのが正解です。長押しし続けると復帰操作が失敗することがあります。

4. 約3分間待機する
マイコンがガス漏れの有無をチェックするため、約3分間待機します。この間は絶対にガスを使わないでください。この3分間は、メーター内部のセンサーが配管内にガス漏れがないかを自動的にチェックしている時間です。この間にガスを使用すると、安全確認ができず再び遮断されてしまいます。スマートフォンのタイマーを3分にセットして待つことをおすすめします。

5. 復帰完了を確認する
3分経過後、赤ランプの点滅が消えれば復帰完了です。キャップを右に回して元に戻し、給湯器のリモコンの電源を入れて、お湯が出るか確認してみましょう。蛇口を開けてから温かいお湯が出てくるまで、通常15〜30秒程度かかります。最初は配管内の冷たい水が出てきますが、しばらくすると温かくなるはずです。

注意点

復帰操作を行っても再び遮断される場合や、ガス臭がする場合は、ガス漏れの可能性があります。直ちにガス会社に連絡してください。自己判断での復帰操作の繰り返しは危険です。また、都市ガスとプロパンガスでは供給会社が異なりますので、ご自宅のガス種類を確認した上で、正しい連絡先に電話してください。都市ガスの場合は各地域のガス会社(東京ガス、大阪ガスなど)、プロパンガスの場合はボンベに記載されている供給会社に連絡します。

プロパンガスの場合の特別な注意点

プロパンガス(LPガス)を使用している場合、マイコンメーターの遮断以外に、ガスボンベの残量切れという可能性もあります。プロパンガスは都市ガスと違い、ボンベからガスを供給しているため、残量がなくなると突然使えなくなります。

プロパンガスの場合は、屋外に設置されているガスボンベを確認してみてください。ボンベの圧力計が「E(Empty)」や赤いゾーンを指している場合は、ガス切れの可能性が高いです。この場合は、契約しているプロパンガス供給会社に連絡してボンベの交換を依頼する必要があります。通常、連絡してから1〜2時間程度で交換に来てくれることが多いです。

水抜き栓フィルターの詰まり

パロマ給湯器でお湯が出ないのに水は出る原因として、水抜き栓フィルターの詰まりも非常に多いんです。これは給湯器トラブルの中でも頻度が高く、しかも自分で対処できる可能性が高い問題なんですね。私がこれまで見てきた中でも、特に築年数の古い建物や、水質の悪い地域ではこの問題が頻繁に発生しています。

給湯器の給水口には、配管内の錆や砂利、異物が機器内部に侵入するのを防ぐための水抜き栓(ストレーナ)が設置されています。このフィルターが詰まると、水圧が低下して給湯器が点火するために必要な最低流量(通常2.5L/分程度)を確保できなくなるんです。その結果、給湯器は「水量不足」と判断し、安全のため点火動作を開始しません。

水抜き栓フィルターの詰まりが原因の場合、水は出るものの水勢が弱く、給湯器が反応しないという症状が見られます。蛇口を全開にしても「シャワーの水圧が弱い」「チョロチョロとしか出ない」という場合は、このフィルター詰まりを強く疑うべきです。特に長年使用している給湯器や、配管が古い建物では、この問題が起こりやすい傾向があります。

フィルター詰まりの主な原因

水抜き栓フィルターが詰まる主な原因には、以下のようなものがあります。

フィルター詰まりの原因

  • 配管内部の錆
    築年数の古い建物では、鉄製の水道管が経年劣化で錆び、その錆がフィルターに蓄積します。茶色や赤褐色のゴミが付着している場合は錆が原因です。
  • 砂や砂利
    水道工事の直後や、地域の断水明けなどに、配管内に混入した砂や砂利がフィルターに詰まることがあります。
  • 水垢(スケール)
    硬度の高い水(ミネラル分の多い水)を使用している地域では、カルシウムなどが固まった水垢がフィルターに付着します。白い結晶状のものが見られる場合は水垢です。
  • ゴムのかけら
    配管内のパッキンやホースが劣化して剥がれ落ちたゴムのかけらが、フィルターに引っかかることもあります。

水抜き栓フィルターの清掃方法

水抜き栓フィルターの清掃は、自分で行うことができます。ただし、熱湯による火傷には十分注意が必要です。給湯器を使用した直後は機器が熱くなっており、水抜き栓を開けると熱湯が飛び出す危険があるため、必ず給湯器が冷めてから作業を行ってください。

フィルター清掃の詳細手順

準備
給湯器の運転を停止し、機器が完全に冷めていることを確認します。理想的には、前日の夜に最後にお湯を使ってから、翌朝に作業するのが安全です。タオル2〜3枚、バケツ(2L以上の容量があるもの)、歯ブラシ(使い古しで構いません)、コイン(10円玉または100円玉)を用意してください。

止水
給水元栓を時計回りに回して閉めます。元栓の位置は給湯器の下部、または給湯器につながる配管の根元にあることが多いです。ハンドル式の場合は完全に締め込み、レバー式の場合は垂直(閉)の位置にします。元栓が固くて回らない場合は、無理に力を入れず、ゴム手袋を使うか、プライヤーで慎重に回してください。

圧抜き
キッチンなどの給湯栓を開けます。水は出ませんが(元栓を閉じているため)、これで配管内の圧力が抜けます。圧力が抜けていないと、水抜き栓を外した際に水が勢いよく噴き出して作業が困難になります。給湯栓は開けたままにしておいてください。

水抜き栓の取り外し
給湯器下部の水抜き栓を反時計回り(左回り)に回して外します。手で回らない場合や固着している場合は、コイン(10円玉や100円玉)を溝に差し込んでテコの原理で回してください。外す際、内部の水(約0.5〜1L程度)が溢れるため、必ずバケツで受けてください。タオルも床に敷いておくと安心です。

洗浄
水抜き栓を外すと、内部に網状のフィルターが見えます。このフィルター部分に付着したゴミを歯ブラシなどで水洗いして除去します。細かい砂や錆、水垢などが詰まっていることが多いです。フィルターの網目一つ一つを丁寧にブラッシングすることが重要です。目詰まりがひどい場合は、中性洗剤を使って洗浄しても構いません。

復旧
フィルターをしっかり洗浄したら、水抜き栓を元の位置に戻し、時計回り(右回り)に確実に締めます。パッキンの紛失に注意してください。パッキンが劣化している場合は、新しいものに交換することをおすすめします。パッキンはホームセンターや給湯器メーカーのサービス窓口で購入できます。締め付けが緩いと水漏れの原因となるため、しっかりと締めてください。ただし、締めすぎるとネジ山を痛めるので適度な力加減が必要です。

通水確認
給水元栓を反時計回りに回して開け、水漏れがないか確認します。水抜き栓の周辺から水が漏れていないか、数分間観察してください。問題なければ、開けていた給湯栓を閉じ、給湯器の電源を入れます。リモコンの電源を入れ、蛇口からお湯が正常に出るか確認してください。

この作業を行うことで、多くの場合、お湯が正常に出るようになります。定期的なメンテナンスとして、年に1〜2回程度の清掃をおすすめします。特に、築年数の古い建物や、水質が良くない地域にお住まいの方は、半年に1回の清掃が理想的です。

プロに依頼すべきケース

自分でフィルター清掃を行うことに不安がある場合や、以下のような状況では、プロの業者に依頼することを検討してください。

  • 給水元栓が固くて回せない、または元栓の位置がわからない
  • 水抜き栓が固着して外れない
  • フィルターを清掃しても症状が改善しない
  • 水漏れが発生してしまった
  • 高齢者や体力に自信がない方

プロに依頼した場合の費用は、出張費込みで3,000円〜8,000円程度が相場です。自分で行うのが難しい場合は、無理をせず専門家に任せることも大切な判断です。

リモコンの電源やエラーコード確認

パロマ給湯器からお湯が出ない場合、リモコンの状態を確認することが非常に重要です。リモコンには給湯器の状態やエラー情報が表示されるため、ここをチェックすることで問題の切り分けができるんですね。リモコンは給湯器の「脳」とも言える制御装置と通信しており、現在の状態や不具合の内容を私たちに教えてくれる重要なインターフェースなんです。

給湯器のトラブルシューティングにおいて、リモコンの確認は最初に行うべき基本中の基本です。なぜなら、リモコンを見るだけで、給湯器が正常に電源供給を受けているか、どのようなエラーが発生しているかを即座に判断できるからです。これにより、無駄な作業を避け、効率的に問題を解決できます。

リモコンの電源確認

まず確認すべきは、リモコンの電源が入っているかどうかです。意外と多いのが、単純にリモコンの電源が切れていたというケースなんです。家族の誰かが間違えて電源を切ってしまった、または小さなお子さんがボタンを押して電源を切ってしまったということもよくあります。

リモコンの画面が真っ暗な場合は、以下を順番に確認してください。

リモコン電源のチェックリスト

  • リモコンの電源ボタンを押す
    まず、リモコンの電源ボタン(通常は「運転」または「ON/OFF」と書かれています)を押して、画面が表示されるか確認します。電源が入ると、通常は「ピッ」という電子音が鳴り、液晶画面に設定温度などが表示されます。
  • 給湯器本体のコンセントを確認
    リモコンのボタンを押しても反応がない場合、給湯器本体のコンセントが抜けていないか確認してください。給湯器は通常、屋外または浴室の天井裏などに設置されており、コンセントにアクセスしにくい場合もあります。脚立などを使用する際は、転落に十分注意してください。
  • 分電盤のブレーカーを確認
    コンセントが抜けていない場合、分電盤(ブレーカーボックス)を開いて、給湯器専用のブレーカーが落ちていないか確認します。ブレーカーには通常「給湯」「給湯器」などのラベルが貼られています。落雷や停電の後は、ブレーカーが落ちることがあります。
  • 複数のリモコンを確認
    キッチンと浴室など、複数箇所にリモコンがある場合は、すべてのリモコンの電源状態を確認してください。片方のリモコンだけ電源が切れていることもあります。

特に落雷の後などは、ブレーカーが落ちていることがありますので、必ずチェックしてみてください。また、最近は省エネのために給湯器の電源を切る習慣のある方もいますが、給湯器の電源は基本的に常時入れておくことが推奨されています。特に冬季は、凍結予防運転機能が作動するため、電源を切らないでください。

エラーコードの確認と意味

リモコンの電源が入っているのにお湯が出ない場合、エラーコードが表示されていないか確認することが重要です。エラーコードは給湯器の不具合を特定するための最も確実な手がかりなんです。パロマ給湯器のエラーコードは、2桁または3桁の数字で表示され、それぞれ特定の不具合内容を示しています。

エラーコードが表示されている場合は、そのコード番号をメモしておいてください。取扱説明書にエラーコード一覧が記載されていますが、説明書が手元にない場合でも、以下の主要なエラーコードを知っておくと役立ちます。

パロマ給湯器でお湯が出ない場合によく表示されるエラーコードと、その意味を以下にまとめます。

エラーコード故障内容主な原因緊急度
111 / 11給湯点火不良ガス遮断、ガスメーター遮断、イグナイタ不良、強風・豪雨による湿気、吸排気閉塞
112 / 12ふろ点火不良追い焚き側での点火不良(原因は111と同様)
121立ち消え安全装置風圧による吹き消え、フレームロッドの汚れ、ガス圧低下
140 / 14過熱防止装置作動異常過熱、空焚き、熱交換器の閉塞(危険な状態)
161出湯温度異常設定温度より著しく高いお湯が出た(水量制御弁やガス比例弁の故障)
610 / 61燃焼ファン異常ファンモーター故障、回転センサ異常、異物噛み込み
632ふろ水流スイッチ異常循環アダプターフィルター詰まり、水位不足、配管内の空気
101給排気閉塞熱交換器の煤詰まり、排気口の鳥の巣、防虫網の埃
760リモコン通信異常配線の断線、接触不良、リモコン自体の故障
888 / 88点検時期お知らせ標準使用期間相当の使用回数に達した(故障ではない)

エラーコード別の対応方針

エラーコードによって、対応方針が異なります。以下を参考にしてください。

危険なエラーコード – 直ちに使用中止

エラーコード140(過熱防止装置作動)161(出湯温度異常)が表示されている場合は、直ちに使用を中止してください。これらは異常過熱を示すもので、そのまま使用すると火傷や火災のリスクがあります。給湯器の電源を切り、ガス栓を閉じた上で、必ず専門業者に修理を依頼してください。「一時的に直った」と思っても、絶対に使用を再開しないでください。

自己対処可能なエラーコード

エラーコード111(点火不良)、632(水流スイッチ異常)、888(点検時期お知らせ)などは、ガスメーター確認、フィルター清掃、電源リセットなどの自己対処で解決する可能性があります。ただし、対処を試みても解決しない場合は、専門業者に連絡してください。

エラーコードが表示されている場合は、そのコード番号とともに、いつからお湯が出なくなったか、何か特別な出来事(地震、停電、豪雨など)がなかったかをメモしておくと、業者に相談する際にスムーズです。

混合水栓の故障による不具合

パロマ給湯器本体は正常なのに、混合水栓(蛇口)側の故障が原因でお湯が出ないケースもあります。この場合、給湯器ではなく水栓の問題なので、見極めが重要なんですね。実は、給湯器の修理を依頼したものの、実際には水栓の故障だったというケースは意外と多いんです。これを正しく見分けることで、無駄な出張費用を払わずに済みます。

混合水栓とは、お湯と水を混ぜて適温にする機能を持った蛇口のことです。キッチンや洗面所の水栓、浴室のシャワー混合栓などがこれに該当します。これらの水栓には内部に複雑な機構があり、経年劣化によって故障することがあるんです。

混合水栓の故障の見分け方

混合水栓が原因かどうかを見分けるポイントは、他の場所の蛇口でお湯が出るかどうかです。これは最も簡単で確実な判別方法です。

混合水栓故障の判別チャート

  • 浴室ではお湯が出ないが、キッチンではお湯が出る
    → 浴室の混合水栓の故障です。給湯器は正常に稼働しているため、浴室の水栓を修理または交換する必要があります。
  • キッチンではお湯が出ないが、洗面所ではお湯が出る
    → キッチンの混合水栓の故障です。同様に水栓の修理・交換が必要です。
  • 洗面所だけお湯が出ない
    → 洗面所の混合水栓の故障、または洗面所への給湯配管に問題がある可能性があります。
  • すべての場所でお湯が出ない
    → 給湯器本体、またはガス供給・電源供給の問題です。混合水栓の故障ではありません。

特定の場所だけお湯が出ない場合は、給湯器ではなくその場所の水栓に問題があると考えられます。この場合、給湯器の修理業者ではなく、水道設備業者や水栓メーカーのサービスに連絡するのが正しい対応です。

サーモスタット混合水栓の特有のトラブル

浴室などで一般的なサーモスタット混合水栓(温度調整ハンドルがついた水栓)では、内部のサーモエレメント(感温部)が劣化すると、お湯と水の混合比率調整がうまくいかなくなります。

サーモスタット混合水栓は、内部に温度を感知するセンサーがあり、設定温度に応じて自動的にお湯と水の混合比率を調整する高機能な水栓です。しかし、このセンサー部分(サーモエレメント)は熱膨張と収縮を繰り返すため、長年使用すると劣化してしまうんです。

この場合、給湯器からお湯が来ていても水しか出さない状態になってしまうんです。または、温度調整ハンドルを「熱」側に回しても、ぬるい水しか出てこないという症状も見られます。サーモスタット混合水栓の寿命は通常10〜15年程度ですので、長年使用している場合は交換を検討する必要があります。

混合水栓の修理費用の目安

作業内容費用目安所要時間
カートリッジ交換(バルブ交換)8,000円〜15,000円30分〜1時間
サーモスタット混合水栓本体交換20,000円〜40,000円1〜2時間
シングルレバー混合水栓本体交換15,000円〜30,000円1〜2時間

温度調整ハンドルの確認

サーモスタット混合水栓を使用している場合、温度設定ハンドルが「水」側になっていないか確認してください。意外とこの設定ミスで「お湯が出ない」と思い込んでいるケースもあります。温度調整ハンドルは通常、中央が適温(40℃前後)で、右に回すと低温(水)、左に回すと高温になります。誤って右いっぱいに回してしまっていないか確認してみてください。

DIYでの修理は可能か

混合水栓のカートリッジ交換は、DIYに慣れている方であれば自分で行うことも可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 水栓のメーカーと型番を正確に確認し、適合するカートリッジを購入する必要がある
  • 止水栓を確実に閉めないと、作業中に水が噴き出す危険がある
  • 分解手順を間違えると、元に戻せなくなることがある
  • 作業後に水漏れが発生するリスクがある

不安がある場合は、無理をせず専門業者に依頼することをおすすめします。自分で修理を試みて失敗すると、かえって修理費用が高くつくこともあります。

凍結による配管の閉塞

冬季、特に厳冬期には配管内の水が凍結することで、お湯が出なくなることがあります。この場合、水も出ないか、あるいはチョロチョロとしか出ないことが多いのですが、凍結の程度によってはお湯だけが出ない状況もあり得るんです。凍結は、寒冷地だけでなく、関東や関西の平野部でも、強い寒波が訪れた際に発生することがあります。

配管が凍結するメカニズムを理解しておくと、予防にも役立ちます。水は0℃で凍りますが、配管内の水が凍結するのは、外気温が氷点下になり、かつその状態が数時間以上続いた場合です。特に、給湯器の給水配管や、屋外に露出している配管、日陰にある配管などが凍結しやすくなります。

凍結が疑われる状況

以下のような状況では、凍結を疑う必要があります。

凍結を疑うべき状況

  • 氷点下の気温が続いた後に突然お湯が出なくなった
    前日の最低気温がマイナス4℃以下で、特に朝方にお湯が出ない場合は凍結の可能性が高いです。
  • 朝方は水しか出ないが、昼過ぎには自然に直る
    これは典型的な凍結の症状です。日中の気温上昇により自然解凍されている状態です。
  • 給湯器の配管に霜がついている
    給湯器周辺の配管を目視で確認し、白い霜や氷が付着している場合は凍結しています。
  • 水の出が非常に悪い、またはチョロチョロとしか出ない
    完全に凍結していなくても、配管内にシャーベット状の氷が形成されると、水流が阻害されます。
  • 前日に給湯器の凍結予防運転機能が作動していなかった
    電源を切っていた、またはブレーカーが落ちていた場合、凍結予防機能が働きません。

凍結時の対処法

配管が凍結している場合の対処法は、基本的には自然解凍を待つことです。無理に熱湯をかけると配管が破裂する危険があるため、絶対に避けてください。配管は通常、銅管やステンレス管で作られていますが、急激な温度変化には弱く、熱湯をかけると膨張・収縮で亀裂が入ることがあります。

凍結時の正しい対処法

自然解凍が基本
気温が上がるまで待つのが最も安全な方法です。通常、午前10時〜午後2時頃には自然に解凍されます。急いでいない場合は、これが最善の方法です。天気予報を確認し、日中の最高気温がプラスになることを確認してください。

急ぐ場合の対処
どうしても急ぐ場合は、以下の方法を試してください。
1. 給水元栓周辺にタオルを巻く
2. その上からぬるま湯(30〜40℃)をゆっくりとかける
3. 熱湯(60℃以上)をかけることは配管破裂の原因となるため厳禁
4. お風呂の残り湯程度の温度(38〜40℃)が適温です
5. 一度に大量にかけるのではなく、少しずつゆっくりとかけてください
6. 配管全体にタオルを巻いて保温し、その上から温水をかけると効果的です

ドライヤーやヒーターを使う方法
凍結箇所が特定できている場合、ドライヤーやヒーターで温めることもできます。ただし、以下の点に注意してください。
– 配管に直接当てず、20〜30cm離して温風を当てる
– 長時間同じ箇所に当て続けない(配管の変形を防ぐため)
– 感電防止のため、水がかかる場所では使用しない
– 給湯器本体に直接温風を当てない(内部部品の故障を防ぐため)

予防策
寒冷地では、夜間に給湯栓から少量の水を出し続ける(糸状に流す、1分間にコップ1杯程度)ことで凍結を予防できます。水道代は多少かかりますが、配管修理費用に比べれば安価です。また、給湯器の凍結予防運転機能がある場合は、必ず電源を入れたままにしておいてください。パロマの最近の給湯器には、外気温が下がると自動的にポンプを作動させて凍結を防ぐ機能が搭載されています。この機能を活用するには、給湯器の電源(コンセント)とリモコンの電源を入れたままにし、さらに浴槽の水を循環アダプターより5cm以上上まで張っておく必要があります。

凍結による配管破裂が発生した場合

凍結によって配管が破裂してしまった場合は、水漏れが発生しますので、直ちに以下の対応を取ってください。

  1. 給水元栓を閉める:水漏れを止めるため、まず給水元栓を閉じてください。
  2. 電源を切る:漏電の危険があるため、給湯器の電源プラグを抜き、ブレーカーも落としてください。
  3. 水を拭き取る:床に漏れた水は、タオルや雑巾で速やかに拭き取ってください。
  4. 専門業者に連絡:配管の修理が必要なため、水道設備業者または給湯器業者に連絡してください。

配管破裂の修理費用は、破裂箇所や修理内容により異なりますが、10,000円〜50,000円程度が相場です。配管全体の交換が必要な場合は、さらに高額になることもあります。

凍結予防のための長期的対策

毎年凍結に悩まされる地域にお住まいの場合、以下のような長期的な対策を検討する価値があります。

  • 配管の保温材設置:屋外の露出配管に保温材(発泡スチロール製やグラスウール製)を巻くことで凍結を予防できます。費用は配管の長さにもよりますが、5,000円〜20,000円程度です。
  • ヒーターの設置:配管に巻きつけるタイプの凍結防止ヒーターを設置することもできます。電気代は月に数百円程度です。
  • 給湯器の設置場所の見直し:給湯器が風当たりの強い場所や日陰に設置されている場合、設置場所を変更することも検討できます。ただし、移設工事は高額(10万円以上)になることが多いです。

凍結は予防が最も重要です。天気予報で氷点下の気温が予想される場合は、事前に対策を講じることをおすすめします。

パロマ給湯器のお湯が出ない・水は出る時の対処法

原因がわかったら、次は具体的な対処法を実践していきましょう。パロマ給湯器でお湯が出ないのに水は出る状況では、エラーコードに応じた適切な対処が重要です。

ここでは、自分でできる対処法から、専門業者に依頼すべき状況の判断まで、実践的な解決方法を詳しく解説していきます。正しい手順で対処することで、多くの場合は自力で問題を解決できるんですね。ただし、安全が最優先ですので、少しでも危険を感じたり、自己対処が難しいと判断した場合は、無理をせず専門業者に相談してください。

対処法を実践する際の心構えとして、「まず簡単なことから試す」というアプローチが有効です。いきなり複雑な作業に取りかかるのではなく、ガスメーターの確認や電源リセットなど、誰でもできる簡単な対処から順番に試していくことで、効率的に問題を解決できます。

エラーコード111の点火不良対処

エラーコード111(または11)は、パロマ給湯器で最も頻繁に表示されるエラーコードの一つで、給湯点火不良を示しています。このエラーが出た場合の対処法を段階的に説明しますね。エラー111は、給湯器が「お湯を作ろうとしたけど、火がつかなかった」または「火がついたと確認できなかった」という状態を示しています。

点火不良の原因は実に多岐にわたり、ガス供給の問題、点火装置の不良、排気の問題、天候の影響など、様々な要因が考えられます。しかし、慌てる必要はありません。以下の手順に従って、一つずつ確認していけば、多くの場合は解決できます。

エラー111の原因と初期対応

エラー111は、給湯器が点火動作を実行したものの、フレームロッド(炎検知電極)が炎を検知できなかった場合に表示されます。原因は多岐にわたりますが、まずは以下の簡単なチェックから始めてください。

エラー111への段階的対処法

ステップ1:ガス供給の確認
ガスコンロが点火するか確認してください。ガスコンロの点火ボタンを押して、火がつくか試してみます。
ガスコンロも点火しない場合:ガスメーターが遮断されている可能性が高いです。前述のガスメーター復帰手順を実行してください。これが最も多いパターンです。
ガスコンロは点火する場合:ガス供給は正常なので、給湯器側の問題です。次のステップに進んでください。
プロパンガスの場合は、ボンベの残量も確認してください。ボンベが空になっている場合は、ガス会社に連絡してボンベ交換を依頼します。

ステップ2:電源リセット
給湯器の電源プラグをコンセントから抜き、約10秒〜5分間放置してから再接続します。これにより電装ユニット(制御基板)がリセットされ、一時的なエラーが解消する場合があります。
– プラグが抜けない場合は、分電盤のブレーカーを落としても同じ効果があります。
– リセット後、リモコンの電源を入れ直し、再度お湯を出してみてください。
– エラー111が消えて正常に点火すれば、一時的なエラーだった可能性が高いです。

ステップ3:天候の確認
台風や豪雨の後にエラー111が出た場合、給湯器内部や排気口から雨水が浸入し、点火プラグ(イグナイタ)やフレームロッドが湿って絶縁不良を起こしている可能性があります。
– この場合は、給湯器内部が乾くまで半日〜1日程度放置してから再度試してみてください。
– 急ぐ場合は、給湯器の電源を切り、排気口の水分をタオルで拭き取ることも有効です。
– ただし、給湯器内部を開けることは絶対にしないでください(資格が必要です)。

ステップ4:排気口の確認
給湯器の排気口(煙突のような部分)が物で塞がれていないか、蜘蛛の巣や鳥の巣ができていないか確認してください。
– 排気口の閉塞は不完全燃焼の原因となり、安全装置が作動して点火を阻止します。
– 蜘蛛の巣は手やブラシで取り除くことができますが、鳥の巣がある場合は専門業者に依頼してください。
– 排気口の前に物を置いていないか(洗濯物、植木鉢、自転車など)も確認してください。
– 排気口から10cm以内には、何も置かないようにしてください。

ステップ5:強風の影響確認
非常に強い風が吹いている場合、風圧によって炎が吹き消されたり、正常な燃焼ができないことがあります。
– 台風や強風の最中は、給湯器の使用を控え、風が収まってから再度試してみてください。
– 頻繁に強風の影響を受ける場合は、給湯器に風よけ(防風板)を設置することを検討してください。

エラー111が解消しない場合

上記の対処を行ってもエラー111が解消しない場合は、以下の部品の故障が考えられます。これらは専門的な修理が必要となるため、自己修理は避けてください。

専門修理が必要な故障箇所

  • イグナイタ(点火装置)の故障
    点火プラグに高電圧を供給する装置が故障すると、火花が飛ばず点火できません。修理費用:15,000円〜25,000円程度
  • フレームロッド(炎検知電極)の汚れまたは故障
    炎を検知するセンサーが汚れていたり故障していると、火がついても「ついていない」と誤認します。清掃または交換が必要です。修理費用:8,000円〜15,000円程度
  • ガス電磁弁の不良
    ガスの供給を制御する電磁弁が故障すると、ガスが流れず点火できません。修理費用:12,000円〜20,000円程度
  • 制御基板の故障
    給湯器の頭脳である制御基板が故障すると、点火シーケンスが正常に作動しません。修理費用:20,000円〜46,000円程度(最も高額)

これらは専門的な修理が必要となるため、パロマのサービス窓口(0120-193-860)または専門業者に連絡してください。連絡する際は、以下の情報を伝えるとスムーズです。

  • 給湯器の型番(本体の銘板に記載されています)
  • エラーコード(111または11)
  • 症状が発生した時期と状況
  • 自分で試した対処法とその結果
  • 給湯器の使用年数

爆燃(ボンッという音)に注意

エラー111が出ている状態で何度も点火を試みると、未燃焼ガスが給湯器内部に溜まり、次の点火時に爆発的に着火する「爆燃」が起こる可能性があります。異常な着火音(ボンッ、ドンッという音)がする場合は、直ちに使用を中止し、専門業者に相談してください。爆燃は給湯器を破損させる原因となり、最悪の場合は火災につながる危険もあります。点火を試みるのは、各対処法ごとに1〜2回までにとどめ、何度も繰り返さないようにしてください。

エラー111の予防策

エラー111の発生を予防するため、以下の点に注意してください。

  • 定期的に排気口周辺の清掃を行う(月に1回程度)
  • 台風や豪雨の前後は、排気口に雨水が入らないよう確認する
  • 給湯器の周囲に物を置かない(換気の妨げにならないよう)
  • 年に1回程度、専門業者による点検を受ける
  • 使用年数が7〜8年を超えたら、部品の劣化を意識する

特に、製造から10年以上経過した給湯器では、エラー111が頻発するようになることがあります。この場合、部品交換を繰り返すよりも、給湯器全体の交換を検討した方が経済的な場合もあります。

電源リセットと復帰手順

パロマ給湯器でお湯が出ない場合、電源リセットは最も簡単で効果的な対処法の一つです。一時的なエラーや制御基板のフリーズなどは、電源をリセットすることで解消することが多いんですね。私の経験上、軽微なトラブルの約30〜40%は、この電源リセットだけで解決しています。

電源リセットがなぜ効果的かというと、給湯器の制御基板(マイクロコンピュータ)は、長時間の稼働や電気的なノイズなどにより、まれに誤作動を起こすことがあるからです。電源を一度切ることで、制御基板の記憶がリセットされ、正常な状態に戻るというわけです。パソコンやスマートフォンを再起動すると調子が良くなるのと同じ原理ですね。

電源リセットの正しい手順

電源リセットは、以下の手順で行います。この手順は非常に簡単で、特別な工具も知識も必要ありません。誰でも安全に実施できます。

電源リセットの完全ガイド

1. リモコンの電源を切る
まず、リモコンの電源ボタン(「運転」または「ON/OFF」ボタン)を押して、画面を消灯させます。「ピッ」という音とともに画面が消えることを確認してください。キッチンと浴室の両方にリモコンがある場合は、両方とも電源を切ってください。

2. 電源プラグを抜く
給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜きます。給湯器の設置場所によっては、プラグに手が届きにくい場合があります。
屋外壁掛け型:給湯器の下部または側面にコンセントがあることが多いです。脚立が必要な場合は、転落に十分注意してください。
屋内設置型:浴室の天井裏や点検口内にコンセントがあることがあります。
– プラグを抜く際は、コード部分を引っ張らず、プラグ本体を持って抜いてください。コードを引っ張ると断線の原因になります。

3. ブレーカーを落とす(プラグが抜けない場合の代替方法)
電源プラグに手が届かない、またはコンセントが見つからない場合は、分電盤を開き、給湯器専用のブレーカーを「切」にします。
– ブレーカーには通常「給湯」「給湯器」「ボイラー」などのラベルが貼られています。
– ラベルがない場合は、各ブレーカーを一つずつ落として、リモコンの画面が消えるブレーカーを探してください。
– マンションの場合、専有部分のブレーカーとは別に、共用部分のブレーカーがあることもあります。

4. 待機時間
電源を切った状態で、最低10秒〜5分程度待機します。この待機時間が重要です。
10秒〜30秒:軽微なリセットに有効。一時的なエラーはこれで解消することが多いです。
3〜5分:制御基板内のコンデンサに蓄積された電荷を完全に放電させるための時間。頑固なエラーや、何度もエラーが再発する場合は、この時間を取ることをおすすめします。
– スマートフォンのタイマー機能を使うと便利です。

5. 電源を入れる
待機時間が経過したら、電源プラグをコンセントに差し込む、またはブレーカーを「入」にします。
– プラグを差し込む際は、コンセントにしっかりと奥まで差し込んでください。中途半端に差し込まれていると、接触不良の原因になります。
– ブレーカーを入れる場合も、「パチン」と音がするまでしっかりと入れてください。

6. リモコンの電源を入れる
リモコンの電源ボタンを押して、画面が正常に表示されるか確認します。
– 通常、「ピッ」という起動音とともに、液晶画面に給湯温度などが表示されます。
– 時刻設定がリセットされている場合は、取扱説明書に従って時刻を再設定してください。
– フルオート機能付きの場合、初期設定画面が表示されることもあります。

7. 動作確認
給湯栓(蛇口)を開けて、お湯が出るか確認します。
– リモコンに燃焼マーク(炎のアイコン)が表示されることを確認してください。
– 蛇口を開けてから温かいお湯が出てくるまで、通常15〜30秒程度かかります。
– 最初は配管内の冷たい水が出てきますが、しばらくすると設定温度のお湯に変わるはずです。
– キッチン、洗面所、浴室など、複数箇所で確認すると確実です。

リセットの効果と限界

電源リセットは、一時的なエラーやソフトウェアのフリーズには効果的ですが、物理的な部品の故障には効果がありません。以下のような場合、リセットだけでは解決しません。

電源リセットで解決できないケース

  • ガス供給の問題:ガスメーターが遮断されている、ガス栓が閉じている場合は、それらを先に解決する必要があります。
  • 水量不足:フィルター詰まりや水圧低下が原因の場合、電源リセットでは改善しません。
  • 部品の故障:イグナイタ、ファンモーター、センサー類などの物理的な故障は、部品交換が必要です。
  • 配線の断線:リモコンと本体をつなぐ配線が断線している場合、リセットしても通信できません。

リセット後もエラーが再発する場合や、お湯が出ない状態が続く場合は、部品の故障が疑われますので、専門業者に診断を依頼してください。特に、同じエラーコードが3回以上繰り返し表示される場合は、恒久的な故障の可能性が高いです。

リセット後も問題が続く場合

電源リセットを行っても問題が解消しない場合は、以下の可能性が考えられます。

症状考えられる原因対応
リモコンの画面が全く表示されない制御基板の恒久的な故障、電源供給の問題、リモコンの故障専門業者による診断が必要
同じエラーコードが即座に再表示されるセンサー類の不良、安全装置の作動エラーコードに応じた個別対処、または専門業者への依頼
リセット直後は正常だが、数時間後に再発する部品の劣化による間欠的な故障専門業者による点検と部品交換
リモコンは正常だが、お湯が出ないガス供給、水供給、または混合水栓の問題ガスメーター、水抜き栓、混合水栓の確認

この場合、自己修理は困難ですので、専門業者による診断が必要です。無理に自分で修理しようとすると、状況を悪化させたり、火災やガス漏れなどの危険を招く可能性があります。

電源リセットの頻度について

電源リセットは、必要に応じて行う対処法であり、定期的に行う必要はありません。ただし、以下のような場合には、予防的にリセットを行うことも有効です。

  • 落雷があった後:雷による電気的なノイズで、制御基板が誤作動することがあります。
  • 停電があった後:停電からの復旧時に、制御基板が正常に起動しないことがあります。
  • 長期間(1ヶ月以上)使用しなかった後:長期不在から帰宅した際など、給湯器を久しぶりに使う前にリセットすると安心です。

ただし、頻繁にリセットが必要になる状態は正常ではありません。週に何度もリセットしないと使えない場合は、給湯器に何らかの問題があるサインですので、早めに専門業者に点検を依頼してください。

水量と水圧の確認方法

パロマ給湯器でお湯が出ない原因として、水量不足も考えられます。給湯器には最低作動水量(通常2.5L/分程度)があり、これに満たない水量では点火しないように設計されているんです。これは安全装置の一つで、水量が少ないまま点火すると、給湯器内部で異常高温になる危険があるため、あえて点火しないようになっているんですね。

水量不足は、特に以下のような状況で発生しやすいです。

  • 築年数の古い建物(配管の錆や狭窄が進行している)
  • 集合住宅の高層階(水圧が低い)
  • 複数箇所で同時に水を使用している
  • 給湯器のフィルターが詰まっている
  • 給水元栓が全開になっていない

水量不足の症状

水量不足が原因の場合、以下のような症状が見られます。これらの症状がある場合は、給湯器に十分な水量が供給されていないと考えられます。

水量不足を示す症状

  • 蛇口を開けても水の出が弱い(チョロチョロとしか出ない)
    蛇口を全開にしても、勢いよく水が出ず、細い流れになってしまう状態です。正常な場合は、蛇口を全開にすると「ザーッ」と勢いよく水が出るはずです。
  • 給湯器が全く反応しない(リモコンに燃焼マークがつかない)
    蛇口を開けても、給湯器のリモコンに炎のマーク(燃焼表示)が全く表示されない場合、給湯器が「水が流れていない」と判断している可能性があります。
  • エラーコードが表示されない
    故障やエラーではなく、単に給湯器が動作を開始していない状態です。これは、水量検知センサーが作動していないためです。
  • シャワーの水圧が以前より弱くなった
    以前は勢いよく出ていたシャワーが、最近弱くなったと感じる場合、配管の詰まりや水圧低下が進行している可能性があります。
  • 2階や3階の蛇口で特に水圧が弱い
    建物全体の水圧が低下している場合、高い場所ほど影響を受けやすくなります。

水量不足の原因と対処法

水量不足の主な原因とそれぞれの対処法を詳しく解説します。

水量不足の主な原因と対処

1. 水抜き栓フィルターの詰まり
前述の通り、水抜き栓フィルターが詰まっていると水量が不足します。
対処法:フィルターの清掃を行ってください。清掃方法は前のセクションで詳しく説明しています。フィルター清掃は、水量不足問題の約50%を解決できる最も効果的な対処法です。

2. 給水元栓が全開になっていない
給水元栓が完全に開いていないと、給湯器に十分な水量が供給されません。
対処法
– 給水元栓のハンドルを反時計回りに回しきってください。「これ以上回らない」というところまで回すのが「全開」の状態です。
– レバー式の元栓の場合は、レバーが配管と平行(水平)になっている状態が「開」です。
– 元栓が複数ある場合(建物の大元と給湯器の元栓など)、すべて全開になっているか確認してください。
– 元栓が固くて回らない場合は、無理に力を入れず、専門業者に依頼してください。無理に回すと破損の原因になります。

3. 建物全体の水圧が低い
集合住宅の高層階などでは、建物全体の水圧が低い場合があります。
症状の確認
– 他の蛇口(キッチン、洗面所、トイレなど)でも水の出が悪いか確認してください。
– 隣近所でも同じ症状があるか聞いてみてください。
対処法
– 集合住宅の場合は、建物の管理会社または大家さんに相談してください。建物全体の問題である可能性があります。
– 受水槽の故障や、ポンプの不具合などが原因の場合もあります。
– 個人宅の場合は、水道局に問い合わせて、地域の水圧を確認してください。
– 水圧が低い地域では、給湯器に増圧ポンプを設置することも検討できます(工事費用:5万円〜10万円程度)。

4. 配管の経年劣化
築年数が古い建物では、配管内部に錆が蓄積し、水の通り道が狭くなっている可能性があります。
症状の確認
– 水が茶色く濁ることがある
– 配管から「ゴボゴボ」「ゴーッ」という異音がする
– 以前に比べて明らかに水圧が低下している
対処法
– 築年数が30年以上の建物では、配管全体の交換を検討する必要があるかもしれません。
– 配管更新工事は高額(数十万円〜)になりますが、水漏れや赤水などの問題も解決できます。
– まずは水道設備業者に配管の診断を依頼してください。

5. 他の場所で大量に水を使っている
洗濯機の給水中、トイレの水を流している最中、庭の水やり中など、他の場所で大量に水を使っていると、給湯器への水量が不足することがあります。
対処法
– 他の水の使用を一時停止してから、給湯器を試してみてください。
– 頻繁にこの問題が発生する場合は、建物全体の水道管のサイズアップを検討する必要があるかもしれません。

水圧の確認方法

水圧が適切かどうかを簡易的に確認する方法があります。専門的な圧力計がなくても、ペットボトルと時計があれば測定できます。

水量の簡易測定方法

手順

  1. 2Lのペットボトルを用意します。
  2. 給湯栓(お湯側)を全開にします。
  3. スマートフォンのストップウォッチ機能で時間を測りながら、ペットボトルに水を入れます。
  4. 2Lたまるまでの時間を記録します。

判定基準

  • 60秒未満:水量は十分です(2L/分以上の流量)。給湯器の最低作動水量をクリアしています。
  • 60〜90秒:ギリギリ動作する範囲ですが、改善の余地があります。フィルター清掃を推奨します。
  • 90秒以上:水量不足です。給湯器が点火しない可能性が高いです。早急に対処が必要です。

1分間に2.5L以上の水が出ていれば、給湯器の最低作動水量はクリアしています。これに満たない場合は、水量不足が原因でお湯が出ていない可能性が高いです。

水量不足を根本的に解決する方法

一時的な対処ではなく、根本的に水量不足を解決したい場合、以下のような方法があります。

  • 給水管のサイズアップ:給湯器への給水配管を、より太い管に交換します(13mm→20mmなど)。工事費用:3万円〜8万円程度
  • 増圧ポンプの設置:水圧を高めるためのポンプを設置します。工事費用:5万円〜10万円程度、電気代:月数百円程度
  • 建物全体の配管更新:築年数が古い建物の場合、根本的な解決には配管全体の更新が最も効果的です。工事費用:数十万円〜(建物規模による)

これらの工事は、水道設備業者または給湯器業者に相談してください。まずは現状の診断を受け、最適な解決方法を提案してもらうことをおすすめします。

修理依頼か交換かの判断基準

自分で対処してもパロマ給湯器からお湯が出ない状態が続く場合、修理を依頼するか、給湯器を交換するかという判断が必要になります。この判断は、使用年数と費用対効果を考慮して行うことが重要なんですね。間違った判断をすると、無駄な出費につながってしまいます。

修理か交換かの判断は、多くの方が悩むポイントです。「まだ使えるかもしれないのに交換するのはもったいない」と思う一方で、「修理してもすぐ別の場所が壊れるのでは」という不安もありますよね。ここでは、プロの視点から、合理的な判断基準をお伝えします。

「10年ルール」による判断

給湯器業界では、「10年ルール」という判断基準が広く認識されています。給湯器の設計上の標準使用期間は約10年とされており(出典:パロマ公式サイト)、この10年を基準に、以下のような判断指針があります。

使用年数推奨される対応理由修理費用の目安
5年未満原則修理を推奨まだ十分に寿命が残っており、修理のコストパフォーマンスが非常に良い。部品の供給も問題なし。1万円〜3万円程度で済むことが多い
5〜7年修理を推奨寿命の半分以上残っており、修理後も数年は使用できる可能性が高い。2万円〜5万円程度
7〜10年故障箇所と費用による寿命の終わりが近づいているため、修理費用と残り寿命を天秤にかける必要がある。軽微な修理(2〜3万円程度)なら実施、高額修理(5万円以上)なら交換を検討すべき。2万円〜8万円程度
10〜12年原則交換を推奨標準使用期間を超えており、修理しても他の部品がすぐに故障するリスクが高い。部品の保有期間が終了している可能性もある。3万円〜10万円以上(高額になる傾向)
12年以上交換を強く推奨安全性の問題。経年劣化により、不完全燃焼やガス漏れのリスクが増加する。修理部品が入手できない可能性も高い。部品がない、または極めて高額

この「10年」という数字は、パロマを含む給湯器メーカーが、JIS規格に基づいた耐久試験を行い、経年劣化により安全上支障が生じるおそれが著しく少ないことを確認した期間として設定されています。つまり、10年を超えた給湯器は、いつ故障してもおかしくない状態と考えるべきなんです。

修理費用の詳細な目安

修理を依頼する場合、以下のような費用がかかります。費用は地域や業者、故障箇所によって変動しますが、一般的な相場をご紹介します。

パロマ給湯器の修理費用相場

基本料金

  • 出張診断費:3,000円〜5,000円(修理しない場合でも発生します)
  • 休日・夜間の割増料金:平日料金の1.3〜1.5倍
  • 遠方出張費:距離に応じて追加料金が発生することがあります

主な部品交換と費用(技術料込み)

  • 電装基板交換:15,000円〜46,000円
    給湯器の頭脳である制御基板の交換。最も高額な修理の一つです。
  • ファンモーター交換:17,000円〜33,000円
    排気を行うファンの交換。比較的頻度の高い修理です。
  • ハイリミット(過熱防止装置)交換:7,500円〜58,000円
    安全装置の交換。作業難易度により価格が大きく変動します。
  • 水量サーボ交換:10,000円〜35,000円
    水量を制御する部品の交換。
  • ガス比例弁交換:12,000円〜40,000円
    ガス量を調整する部品の交換。
  • リモコン交換:16,000円〜38,000円
    リモコン本体または配線の交換。
  • イグナイタ交換:10,000円〜25,000円
    点火装置の交換。
  • フレームロッド交換:8,000円〜20,000円
    炎検知センサーの交換または清掃。
  • 熱交換器交換:40,000円〜80,000円
    最も高額な修理。この金額なら交換を検討すべきです。

※これらはあくまで一般的な目安です。実際の費用は故障箇所、作業内容、業者により変動します。必ず事前に見積もりを取得してください。

交換費用の目安と最新機種のメリット

給湯器を交換する場合、本体価格+工事費+処分費がかかります。ただし、最近は業者によって大幅な値引きがあることも多く、定価で購入するケースは少ないです。

給湯器のタイプ定価実売価格(工事費込み)特徴
給湯専用(16号)15万円〜20万円7万円〜10万円お湯を出すだけのシンプルなタイプ。単身者や追い焚き不要の家庭向け。
給湯専用(20/24号)18万円〜25万円8万円〜12万円給湯能力が高く、複数箇所での同時使用に対応。
オート(20/24号)20万円〜30万円10万円〜15万円自動湯はり、追い焚き機能付き。標準的なファミリー向け。
フルオート(20/24号)25万円〜35万円12万円〜18万円自動足し湯、配管クリーン機能など、全自動機能付き。
エコジョーズ(高効率型)28万円〜40万円15万円〜22万円従来型より機器代は高いが、ガス代が約10〜15%削減される。長期的にはお得。

最新パロマ給湯器の進化したメリット

最新のパロマ給湯器(特に「BRIGHTS(ブライツ)シリーズ」)は、10年前の機種に比べて大幅に進化しています。交換を検討する際は、以下のメリットも考慮してください。

最新機種の主なメリット

  • 熱効率の向上
    従来型の熱効率約80%に対し、エコジョーズは約95%。年間のガス代が5,000円〜15,000円程度削減できる可能性があります。4人家族で年間約10,000円の節約なら、機器代の差額を7〜8年で回収できます。
  • 安全機能の充実
    「壁面火災防止装置」など、点ではなく面で温度を監視する最新の安全装置が搭載されています。不完全燃焼やCO中毒のリスクが大幅に低減されています。
  • 静音性の向上
    最新の燃焼技術により、運転音が従来機種より約30%低減されています。深夜のお風呂も近隣に気兼ねなく使えます。
  • リモコンの使いやすさ
    見やすい液晶画面、簡単な操作、スマートフォン連携機能(一部機種)など、ユーザビリティが大幅に向上しています。
  • 配管クリーン機能
    パロマ独自の機能として、オートタイプでも配管クリーン機能が搭載されています(他社はフルオートのみ)。浴槽の排水時に自動で配管を洗浄し、清潔を保ちます。
  • 凍結予防機能の強化
    より精密な温度センサーにより、凍結をより確実に予防できます。寒冷地でも安心です。
  • エラー診断機能
    より詳細なエラーコードと、リモコンでの対処方法表示により、トラブル時の対応がしやすくなっています。
  • デザイン性の向上
    グッドデザイン賞を受賞した「ブライツシリーズ」は、外観の美しさにもこだわっており、住宅の外観を損ないません。

修理か交換かの具体的な判断フロー

実際に判断する際は、以下のフローチャートを参考にしてください。

修理・交換判断フローチャート

ステップ1:使用年数を確認

  • 10年以上 → 交換を推奨(ステップ5へ)
  • 7〜10年 → ステップ2へ
  • 7年未満 → 修理を推奨(ステップ4へ)

ステップ2:修理見積もりを取得

  • 修理費用が5万円以上 → 交換を推奨(ステップ5へ)
  • 修理費用が2〜5万円 → ステップ3へ
  • 修理費用が2万円未満 → 修理を推奨(ステップ4へ)

ステップ3:過去の修理歴を確認

  • 過去1年以内に修理したことがある → 交換を推奨(頻繁な故障は交換のサイン)
  • 初めての故障 → 修理を推奨(ただし次回故障時は交換を検討)

ステップ4:修理を依頼

  • 信頼できる業者(パロマ認定サービス店など)に修理を依頼
  • 修理後は定期的なメンテナンスを行い、寿命を延ばす

ステップ5:交換を検討

  • 複数の業者から見積もりを取得(最低3社)
  • エコジョーズなど、最新機種も含めて比較検討
  • 交換工事を依頼

専門業者の選び方

修理や交換を依頼する際は、信頼できる業者を選ぶことが極めて重要です。悪質な業者に依頼すると、不要な修理を勧められたり、法外な料金を請求されたりするリスクがあります。

信頼できる業者の選び方

  • パロマの認定サービス店または正規代理店を選ぶ
    パロマの公式サイトで認定サービス店を検索できます。認定店は技術力が保証されており、純正部品を使用します。
  • 複数の業者から見積もりを取り、比較する
    最低3社から見積もりを取得し、価格だけでなく、対応の丁寧さや説明の分かりやすさも比較してください。極端に安い見積もりは、後から追加料金を請求される可能性があるので注意が必要です。
  • 作業内容と保証内容を明確に確認する
    何の部品をどのように交換するのか、保証期間は何年か、保証の範囲はどこまでか、書面で確認してください。口頭だけの約束は避けましょう。
  • 緊急対応の可否と対応時間を確認する
    24時間対応、土日祝日対応の業者もあります。冬季の給湯器トラブルは緊急性が高いため、迅速に対応してくれる業者を選びましょう。
  • 口コミや評判をチェックする
    Googleマップのレビュー、比較サイトの評価などを確認してください。ただし、極端に良い評価ばかりの業者は、やらせレビューの可能性もあるので注意が必要です。
  • 見積もりが無料か確認する
    出張見積もりが無料の業者を選びましょう。有料の場合、キャンセル時に費用が発生します。
  • 資格の有無を確認する
    ガス機器の設置には「ガス機器設置スペシャリスト」などの資格が必要です。業者のWebサイトや名刺で資格を確認してください。

注意:訪問営業には要注意

「給湯器の点検に来ました」「無料で点検します」と言って突然訪問してくる業者には注意が必要です。
– 法外な料金を請求されるケースがある
– 不要な交換を強引に勧められることがある
– 「今すぐ交換しないと危険」と不安を煽る
– クーリングオフが適用されない契約形態を取ることがある

このような訪問業者は、玄関先で丁寧にお断りしてください。本当に点検が必要な場合は、自分で信頼できる業者に依頼しましょう。パロマや東京ガスなど、正規の事業者が事前連絡なしに突然訪問することはほとんどありません。

お得に交換するための補助金・助成金情報

給湯器の交換には、自治体の補助金や国の助成制度を利用できる場合があります。特に省エネ型のエコジョーズへの交換では、補助金の対象となることが多いです。

  • 給湯省エネ事業:国の補助金制度。高効率給湯器の設置に対して補助金が支給されます(年度により異なりますが、5万円〜15万円程度)。
  • 自治体の省エネ補助金:お住まいの市区町村独自の補助金制度がある場合があります。役所のホームページで「住宅改修 補助金」などで検索してみてください。
  • 介護保険の住宅改修費:高齢者がいる家庭で、浴室の給湯設備を改修する場合、介護保険の住宅改修費を利用できることがあります。

これらの制度は予算が限られているため、早めの申請が重要です。業者に依頼する際、補助金について相談してみることをおすすめします。

パロマ給湯器でお湯が出ず水は出る時の解決まとめ

ここまで、パロマ給湯器でお湯が出ないのに水は出る場合の原因と対処法について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめておきますね。この記事で学んだ知識を活用すれば、多くの給湯器トラブルを自力で解決できるはずです。

まず試すべき3つの対処法

パロマ給湯器からお湯が出ない場合、専門業者を呼ぶ前に、まず以下の3つを試してみてください。これらの対処で解決するケースは全体の約60〜70%に達します。つまり、多くの場合、自分で解決できるということです。

自分でできる3大対処法

1. ガスメーターの復帰
ガスコンロも点火しない場合は、ガスメーターが遮断されている可能性が高いです。復帰ボタンを押して3分待つことで、ガス供給が再開されます。
所要時間:約5分
解決率:約30%(特に地震後や長時間使用後に有効)
費用:0円

2. 電源プラグのリセット
給湯器の電源プラグを10秒〜5分間抜いてからリセットすることで、一時的なエラーが解消することがあります。
所要時間:約3〜10分
解決率:約20%(特に雷雨後や停電後に有効)
費用:0円

3. 水抜き栓フィルターの掃除
フィルターが詰まっていると水量不足で点火しません。定期的な清掃がトラブル予防につながります。
所要時間:約15〜30分
解決率:約25%(特に築年数の古い建物で有効)
費用:0円

これら3つの対処法は、いずれも費用がかからず、特別な工具や知識も不要で、誰でも安全に実施できます。お湯が出なくなったら、まずこの3つを順番に試してみてください。

専門業者への依頼が必要なケース

以下のような場合は、自己対処が困難または危険ですので、必ず専門業者に依頼してください。無理に自分で対処しようとすると、状況を悪化させたり、怪我や事故につながる可能性があります。

すぐに専門業者に連絡すべき状況

  • 危険なエラーコードが表示されている(140、161など)
    → 異常過熱を示すエラーは、火災や火傷のリスクがあります。直ちに使用を中止してください。
  • 異臭や異音がする(ガス臭、焦げ臭い、爆発音「ボンッ」など)
    → ガス漏れや不完全燃焼、部品の損傷の可能性があります。ガス栓を閉じて、すぐに業者に連絡してください。
  • 自己対処を試しても解決しない
    → 上記3つの対処法を試しても改善しない場合は、内部部品の故障が疑われます。
  • 使用年数が10年以上経過している
    → 経年劣化により、複数箇所で不具合が発生している可能性があります。安全のため、交換を検討してください。
  • 頻繁にエラーが発生する(週に2回以上など)
    → 一時的なトラブルではなく、恒久的な故障のサインです。
  • 水漏れや煙が出ている
    → 緊急性の高いトラブルです。すぐに使用を中止し、元栓を閉じて業者に連絡してください。

修理と交換の判断基準

専門業者に診断してもらった結果、以下の基準で判断することをおすすめします。

使用年数修理費用推奨判断
7年未満いくらでも修理
7〜10年2万円未満修理
7〜10年2〜5万円要検討(過去の修理歴による)
7〜10年5万円以上交換
10年以上いくらでも交換

基本的な考え方:使用年数7年未満なら修理、10年以上なら交換というのが業界の常識です。ただし、修理費用が高額になる場合や、頻繁に故障を繰り返す場合は、使用年数にかかわらず交換を検討する価値があります。

緊急時の相談先

パロマ給湯器のトラブルで困った場合は、以下の相談先があります。連絡先を携帯電話のメモ帳などに保存しておくと、いざという時に慌てずに済みます。

トラブル時の連絡先

  • パロマお客さまセンター
    電話:0120-193-860(フリーダイヤル)
    受付時間:9:00〜18:00(年中無休)
    ※時間外は留守番電話対応
  • 最寄りのパロマ認定サービス店
    パロマ公式サイト(https://www.paloma.co.jp/)の「サービス店検索」から探せます。
  • 購入した販売店や設置業者
    購入時の領収書や保証書に記載されている連絡先を確認してください。
  • ガス会社
    都市ガスの場合:東京ガス、大阪ガスなど地域のガス会社
    プロパンガスの場合:ボンベに記載されている供給会社
    ※ガス臭がする場合は、ガス会社に最優先で連絡してください。

特に冬季は給湯器トラブルが集中しやすく、業者の予約が取りにくい場合があります。異常を感じたら、早めに相談することをおすすめします。12月〜2月の繁忙期には、修理依頼から訪問まで1週間以上かかることもあります。

定期メンテナンスの重要性

給湯器のトラブルを未然に防ぐには、日頃からの定期メンテナンスが極めて重要です。「壊れてから直す」のではなく、「壊れないように維持する」という予防的アプローチが、長期的には最も経済的です。

日常のメンテナンスチェックリスト

週次(週に1回)

  • 浴槽循環アダプターのフィルターを取り外して清掃する
    → 髪の毛や湯垢が詰まると、追い焚きが効かなくなります。

月次(月に1回)

  • 給湯器の排気口周辺を目視で確認し、蜘蛛の巣や落ち葉を取り除く
    → 排気口の閉塞は不完全燃焼の原因になります。
  • 給湯器周辺に物が置かれていないか確認する
    → 換気が妨げられると、故障の原因になります。
  • 給湯器から異音や異臭がしないか確認する
    → 異常の早期発見につながります。

半年ごと(年2回:春と秋)

  • 水抜き栓フィルターを清掃する
    → 水量不足による点火不良を予防できます。
  • 給湯器本体の外装を濡れた布で拭く
    → 汚れの蓄積を防ぎ、外観を保ちます。

年次(年に1回)

  • 専門業者による点検を受ける(任意だが推奨)
    → 費用は8,000円〜15,000円程度ですが、重大な故障を未然に防げます。
  • リモコンの時刻設定を確認する
    → ズレている場合は、電池切れや電気系統の不具合の可能性があります。

製造から10年経過後

  • メーカー推奨の点検を受ける
    → パロマでは「あんしん点検」として有償点検サービスを提供しています。
    → 費用は給湯器のタイプにより異なりますが、10,000円〜15,000円程度です。
  • 交換を検討する
    → 標準使用期間を超えており、安全のために交換を検討すべき時期です。

冬季の凍結予防

寒冷地や冬季には、凍結予防も重要なメンテナンスの一つです。

  • 給湯器の電源を切らない:凍結予防運転機能が作動するため、冬季はコンセントを抜かないでください。
  • 浴槽の水を残しておく:循環アダプターより5cm以上上まで水を張っておくと、凍結予防運転が効果的に作動します。
  • 極寒日は水を少量流す:氷点下4℃以下の予報が出ている場合、夜間に給湯栓から糸状に水を流し続けると凍結を防げます。
  • 配管の保温:屋外の露出配管には、保温材を巻いておくことをおすすめします。

最後に

パロマ給湯器でお湯が出ないのに水は出るというトラブルは、適切な知識と対処法を持っていれば、自分で解決できるケースも多いです。この記事で紹介した方法を順番に試してみてください。

ただし、安全が第一ですので、少しでも危険を感じたり、自己対処が難しいと判断した場合は、無理をせず専門業者に相談してください。ガス機器は、誤った取り扱いをすると、火災やガス漏れなどの重大な事故につながる可能性があります。

特に以下の作業は、資格が必要であり、素人が行うことは法律で禁止されています。

  • 給湯器本体の分解
  • ガス配管の接続・切断
  • 電気配線の変更
  • 給湯器の設置位置の変更

最終的な判断や作業については、必ず資格を持った専門業者にご相談ください。この記事の情報は一般的な事例に基づくものであり、すべてのケースでの解決を保証するものではありません。

あなたの給湯器トラブルが一日も早く解決し、快適な生活に戻れることを願っています。冬の寒い日も、夏の暑い日も、いつでも快適なお湯が使える生活は、本当にありがたいものですよね。日頃からのメンテナンスを心がけ、給湯器を大切に使っていきましょう。

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